なぜかSFは古典(といっても1960-1970年代だが)ばかりを読んでいて最近の作品を読んでいないことに気付いて、お試しとしてどこかのおすすめの中から選んだ本。
ユートピアのようなディストピアのような近未来を描く不思議な作品だった。作中の重要な前提条件が最近の脳科学の知見なのかこの作品での創作なのかが気になったが、脳科学の目覚ましい"発見"には"見たんか?"と反応してしまう方なので、深追いはしていない。でも、一点突破的なその設定を得て一気に書いたような印象に気詰まりを感じるのは、がんの闘病中だった著者の苦しさが影響しているのかもしれない。
新しい作品の、現代を反映したより進んだ未来を描く作品の魅力が理解できたので、この分野も積極的に読んでみたいと思う。