イギリス人夫との間に生まれた長男の思春期を見守りながら過ごすイギリスでの生活についてのエッセイ集。日本の集団主義とは違う個人中心の社会のありかたが興味深い。
国際結婚して配偶者の国で暮らしている時点で、様々な困難を乗り越えている著者のパワーには圧倒される。そのパワーの源泉と思しき重要な社会問題についても簡単に書かれていて、がんばれる人にはがんばらざるを得ない理由があるという事実をまた一つ確認してしまった。
自分にもがんばるべきささやかな理由はあったのだが、意外に簡単に乗り越えられてしまって久しい。でも、成し遂げられない人の側で普通の人として終わっていくことが幸せなのだろうなと考えている。