ここ15年ぐらい、エディタにはEmacsかVimを使ってきた。GUIエディタでの編集時のカーソルキー連打による手首への負担を回避できるのが一番の理由だが、普通でないものを使う楽しさや複雑な仕組みを覚えて使いこなす楽しみも大きな理由になっている。
それでも時々、複雑な運用に疲れて、もうGUIエディタでいいかもと感じる時がある。操作上の手間は増えるが、考える事が少なくて、むしろ書くことに集中できて良いかもしれないとも思う。
しかししばらく使っていると、EmacsやVimを使うスキルを失うことへの不安を感じ始める。EmacsとVimの間を移行する時にも、思い出すまでにそれなりの負担があるものを、単純なGUIエディタに慣れてしまったら、二度とEmacsやVimには戻れなくなるのではないかという不安が巻き起こる。そして、EmacsかVimに戻るというパターンを周期的に繰り返している。WindowsとLinuxにも似た関係があって、もうWindowsで楽をしようと移行してみるが、Linuxが使えなくなる不安を感じてLinuxに戻るというパターン。
若い頃からの記憶は、そう簡単には失うことはないような気もするし、記憶力も完全に失われた訳ではないので、心配するほどではないのかもしれない。それでも万一には備えなければと思う。今後、色々な分野で失うことへの不安に対処していく必要がでてくるのだろう。