少し前に同じ作家の"浮遊霊ブラジル"を読んだのだが、特殊な短編集のように感じたので芥川賞受賞作を読んでみた。
正直な感想としては芥川賞的な尖った内容ではなくて、至って普通の小説。文庫に同時収録されている"十二月の窓辺"の方が芥川賞的かなと感じた。確かリーマンショック直後でワーキングプアの世界を描いたことが話題になっていた記憶があるので、"十二月の窓辺"が評価されていたところへ、世相を反映した作品を書いたことで評価のきっかけを得たのかなと思う。
とは書いて見たものの、まだこの作家が理解できていないような気がする。もう1冊読んでみたくなった。