ふるきのガベージコレクション2

脳内を通り過ぎたイメージの残骸の記録

読書

ザリガニの鳴くところ(ネタばれ版)

ネタばれ版も書いてみる。最後の最後で貝の首飾りが見つかり、誰が殺したのかがわかった。となると裁判や無罪評決後の行動も殺人者として読み返さねばならない。裁判では私はやっていないという主張はしていないし、現実逃避的な行動を繰返していたので、辻…

ザリガニの鳴くところ(ネタばれ版)

ネタばれ版も書いてみる。最後の最後で貝の首飾りが見つかり、誰が殺したのかがわかった。となると裁判や無罪評決後の行動も殺人者として読み返さねばならない。裁判では私はやっていないという主張はしていないし、現実逃避的な行動を繰返していたので、辻…

ザリガニの鳴くところ ディーリア オーエンズ

2023.01.06読了Amazonの半額セールでアメリカのベストセラーとして紹介されていた本。基本的には推理小説なのだと思うが、濃密な自然描写や息詰まる裁判のシーン、孤独な少女の生活と成長など多彩な内容が含まれている。電子書籍で読んだが、紙の本は500ペー…

プロジェクト ヘイルメアリー アンディ・ウィアー

2022.12.24読了ある生物が太陽系に侵入したことによる気候の大変動の原因を宇宙船に乗って調査に行く話。前半は孤独、後半は予想外の共同作業がテーマになっている。孤独な調査で思い出したのは、機械の不具合調査の海外出張。カメラとノギスと拡大鏡程度の…

だから、もう眠らせてほしい 西智弘

終末ケア医である著者が、現在の選択肢である耐え難い苦痛がある場合の、薬物による鎮静のあるべき姿に悩みつつ、議論が始まりつつある安楽死制度の在り方を識者とのインタビューや患者とのやり取りを通して考えていく本。問題提起までで結論は提示されてい…

人形の家 イプセン

男性主導の社会からの女性の自立の模索を描く戯曲。この本は3回も買ってしまっている。文庫本が1回、電子書籍が2回。それほど面白かったというわけではなく、夏目漱石の小説に出てきて読みたくなって買うというパターンの繰り返し。毎回、読みはじめてすぐに…

大学をウロウロする夢と出身大学の統合

久しぶりに夢を見た。自分の出身大学の建物の中をウロウロしている夢で、卒業直後かしばらくしてからのリクルータか何かで訪問しているようだ。いくつかの建物を出たり入ったりしていて、何の目的なのかがわからないが、図書館に向かっているところで目覚ま…

「色のふしぎ」と不思議な社会 川端裕人

しばらく前に読んだ本なので、やや記憶があいまいだが書いてみる。自分は軽度の色覚異常者だと自認している。前半は、人間がどのように色をみているかという仕組みの話で、興味深い内容、後半は、色覚異常に関する差別の話。主に職業差別の話だが、当事者と…

走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹

走ることをテーマにしたエッセイ集。ボストン在住時代の話が出ていることを知って読んでみたくなった。ボストンには1995年頃に出張で2回、行ったことがある。当時、仕事で担当していたトランスミッションのライセンス生産のライセンス元の工場がボストンの郊…

小さなトロールと大きな洪水 トーベ ヤンソン

僕の世代ではムーミンといえばもじもじするに決まっているのだが、一連の原作のうちのこの第1作では違う。ムーミンママと一緒にムーミンパパを探して冒険しながら成長していく普通の子供として描かれている。そこは違っているのだが、もの寂しい静けさなどは…

ハーメルンの笛吹き男 伝説とその世界 阿部謹也

ハーメルンの笛吹き男 ――伝説とその世界 (ちくま文庫) 作者:阿部謹也 筑摩書房 Amazon ドイツの伝説である"ハーメルンの笛吹き男"について、ドイツ中世の豊富な知識を背景に説明した本。謎解きに引き込まれていくうちにいつの間にか中世ヨーロッパの暮らしに…

100分de名著「存在と時間」ハイデガー

ハイデガー『存在と時間』 2022年4月 (NHK100分de名著) 作者:戸谷 洋志 NHK出版 Amazon 100分de名著の「存在と時間」を見て、もう少し深堀したくなってテキストを購入。 人間は世人という世間に支配されて生きているが、ある日、死から逃れられないという事…

僕はイエローでホワイトでちょっとブルー ブレディ みかこ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon イギリス人夫との間に生まれた長男の思春期を見守りながら過ごすイギリスでの生活についてのエッセイ集。日本の集団主義とは違う個人中心の社会のありかたが興…

海辺のカフカ 村上春樹

文庫の初版を買っていいるので17年前に読んだ本の再読。内容はほとんど忘れていて、新鮮な気持ちで読むことになった。 どんどん物語に引き込まれていく勢いが強くて、筋を追いたいがために速読状態に陥ってしまうぐらい。勢いにまかせて読みたい気持ちに負け…

疲れて書けない

ここ数日で、村上春樹の海辺のカフカを読み直していた。今日、読み終わったのだが、あまりに一気に読んだので疲れ果てて記事が書けない状態。 2005年の文庫化の初版を買っているので、17年ぶりに読んだことになる。休職中の時期だったためおそらくはきちんと…

色彩をもたない田崎つくると彼の巡礼の年 村上春樹

高校時代の仲良しグループの後年のトラブルと修復の物語と書いたら粗すぎるかもしれない。でも、ネタバレしないでうまく書く文才はないので、読書のカテゴリでは本の内容はこのぐらいにして、自分が感じたことを書くようにしている。 高校卒業後、最初のころ…

思い出トランプ 向田邦子

思い出トランプ (新潮文庫) 作者:邦子, 向田 新潮社 Amazon ずいぶん前に読んだので、買ったきっかけは思い出せない。昭和のテレビドラマから切り出したような普通の人のちょっと尖ったエピソードが並ぶ短編小説集。 こういう本を読んで、ちょっとした不幸を…

Dockerの本ようやく半分

たった1日で基本が身に付く! Docker/Kubernetes超入門 作者:伊藤 裕一 技術評論社 Amazon Docker/Kubernetes超入門という本を読んでいる。 "たった1日で基本が身につく!"という副題なのだが、ノロノロ読んでいて1か月半が経過。基本編が終わって、これから…

ポトスライムの舟 津村記久子

ポトスライムの舟 (講談社文庫) 作者:津村 記久子 講談社 Amazon 少し前に同じ作家の"浮遊霊ブラジル"を読んだのだが、特殊な短編集のように感じたので芥川賞受賞作を読んでみた。 正直な感想としては芥川賞的な尖った内容ではなくて、至って普通の小説。文…

コーヒーの科学 旦部幸博

2年ぐらい前のコーヒーに凝っていた頃に読んだ本。コーヒーの豆と焙煎と抽出についての科学的な知識がまとめられている。 より美味しく飲むためには理屈を理解したほうが良いはずと考えて読んだのだが、この本を読んでいろいろ試した結果、それ以前にコーヒ…

妻はサバイバー 永田 豊隆

様々な精神疾患を抱えた奥さんとの20年間の闘病記録を新聞記者の夫がまとめた本。4/28までの期間限定でnote上に全文公開されていて、無料で読ませてもらった。新聞記者らしい簡潔で読みやすい文章なので3時間ほどで読み切ってしまった。 とにかく壮絶な病気…

ダロウェイ夫人 バージニア・ウルフ

100分de名著のパンデミック特集の回で、パンデミック後のロンドンの描写があると紹介されていた本。でも、実際はほとんどなくて、独特の構成の方がずっと印象的だった。 1923年6月のある一日を、沢山の登場人物の一人語りを積み重ねて作り上げている。不思議…

昨日の夕方の空

昨日の夕方の散歩の途中で、珍しい空をみた。

氏名の誕生 --江戸時代の名前はなぜ消えたのか 尾脇秀和

江戸時代の人名の仕組みの解説と、それが明治維新の数年間でどのように変化して、現在の氏名という仕組みに移行したかを解説した本。 広く普及した仕組みを、権力を得た朝廷勢力が王政復古の観点から次々と変更し、その矛盾に耐えられずに変更を続けていく様…

浮遊霊ブラジル 津村記久子

2022.02.26読了 Webちくまで"苦手から始める作文教室"を連載している著者の本を読んでみたくて選んだ本。静かな情景、働く女性、いじめの後日譚、現代的な地獄、ものを頼まれやすい人、高次機能障害、幽霊話の7編の多様な短編小説がまとめられている。かなり…

BBC Cultureでフィリップ・K・ディックの記事

ブックマークサービスPocketのHome[BETA]というボタンを押すと、(残念ながら英文の)記事紹介の画面になるのだが、そこに先日読んだ"高い城の男"の作者であるフィリップ・K・ディックについてのBBC Cultureの特集記事が出ていた。2022.03.02の新しい記事。 い…

都市と星 アーサー・C・クラーク

100分de名著のアーサー・C・クラーク スペシャルの回で紹介されていた本なのだが、この本を紹介した放送日の録画を忘れて知識なしで読むことになった。 いくつかの小説を継ぎ接ぎしたような違和感を感じる作品だったので調べてみたら、一旦発表された作品を…

高い城の男 フィリップ・K・ディック

第2次対戦が枢軸国側の勝利で終結した1960年代を世界を描く小説。60年経過した今でも古さを感じさせないものだった。まあ、1960年代の話なのだから当たり前かもしれないが。そういう世界に生まれたら自分はどうかを考えてみるが、話が大きすぎて実感がわかな…

スコーレNo.4 宮下奈都

地元出身の小説家として、タウン誌などでエッセイを読んだりしていたが、小説も読んでみたくなって買った本。 デビュー作なのだが、おそらくもっと長い小説だったものをザクザク切り貼りして短縮したような感じのある読後感で、もっと読みたい感じが残った。…

ルポ百田尚樹現象 ~愛国ポピュリズムの現在地~ 石戸諭

苦手なタイプなのだが、人気がある理由を知りたくて読んでみた本。一般的に考えられている評価軸とは違う物差しで評価されているという言われてみれば当たり前の内容だった。 ・感動させることが最優先・イデオロギーは作品によって着脱できる・知性ではなく…