ふるきのガベージコレクション2

脳内を通り過ぎたイメージの残骸の記録

「色のふしぎ」と不思議な社会 川端裕人

しばらく前に読んだ本なので、やや記憶があいまいだが書いてみる。自分は軽度の色覚異常者だと自認している。

前半は、人間がどのように色をみているかという仕組みの話で、興味深い内容、後半は、色覚異常に関する差別の話。主に職業差別の話だが、当事者としては、そこまで問題にしなくてもよいのではと感じる内容だった。業務に支障が出てくる可能性があるのならば、その道の入り口で可能性を示してくれたほうが良いに決まっている。様々な工夫で障害を乗り越えることは可能かもしれないし、そもそも連続したグラデーションとしての障碍への線引きは不適切なのかもしれない。でも、Excelの棒グラフの色分けが分からないといった細かい問題でさえ、外見で分からない障碍への配慮をしてもらえる可能性はほとんどない。それが重大な事故につながりかねない鉄道の信号のような話だったら、その道を選ぶ前に制限を示してほしいと思う。

差別と闘う立場の人たちからすると、自分の考えは不適切なのかもしれないが、社会の現状を受けれる人生を選ぶ自由も残してほしいなと思う。