ふるきのガベージコレクション2

脳内を通り過ぎたイメージの残骸の記録

ザリガニの鳴くところ(ネタばれ版)

ネタばれ版も書いてみる。

最後の最後で貝の首飾りが見つかり、誰が殺したのかがわかった。となると裁判や無罪評決後の行動も殺人者として読み返さねばならない。裁判では私はやっていないという主張はしていないし、現実逃避的な行動を繰返していたので、辻褄は合うのかもしれない。でも自分の罪に悩むシーンが全くないその後の穏やかな人生はどうなのか?やっぱり湿原の少女は偏見どおりの人物だったのか?あるいは事故だったのなら種明かしがあっても良さそうだ。

このどんでん返しを作るために、何も書かなかったのは読者をだましたことになる。キリスト教徒にとっては最後は神が裁くのだからこれでよいのか?湿地の少女はキリスト教徒になったのだろうか?読んだ直後はただ驚いたが、考え直してみるとひどい小説だなと思い直した。生物学者の小説デビュー作だからこういう内容が許されたのだろうか?