ふるきのガベージコレクション2

脳内を通り過ぎたイメージの残骸の記録

100分de名著「存在と時間」ハイデガー

 

100分de名著の「存在と時間」を見て、もう少し深堀したくなってテキストを購入。

人間は世人という世間に支配されて生きているが、ある日、死から逃れられないという事実と、良心による気付きで覚醒し、人と同じ選択をしない不安と闘いながら自分らしい生き方を手に入れるという世界観。

"人と同じ選択をしない不安"は日々感じているので、自分のことを言われているようで、やっぱりそうだよねと喜んでいたら、この本を書いた後、ハイデガーナチスに入党してしまう。戦後の弟子たちの批判は、自分の生き方を手に入れた結果の孤独。世人のすべてが悪しきものではなく、人付き合いなどの良い面を見落としているということ。もう一つは、良心により覚醒した後の生き方の選択に基準がないため、他者に負の影響を与える選択をしてしまう可能性についての批判。自分の生き方はまさに弟子たちの批判どおりの孤立した状態。自分から選び取っていった孤独という点では、ハイデガーの思想そのものだった。

数年後に今の仕事が終わる日が来るのだが、認知症のことを考えると孤立状態がまずいのは明らか。ここからどう揺り戻していくべきなのかについては、別途、学んで考える必要がある。